2017-06

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第62回読書会報告

第62回読書会の報告です。

今回は『春と修羅 第一集』の
「春光呪詛」から「かはばた」までの詩のなかから
参加者が各自一つずつ選び、順に発表していきました。

選ばれた作品は
「陽ざしとかれくさ」
「雲の信号」
「春光呪詛」
「かはばた」
「習作」
の五つで、それぞれがその詩の解釈や感想を
自由に出し合って皆で共有しました。

最も多くの参加者に選ばれたのは「雲の信号」で、
はればれとした清涼感があり、春にかんする描写も特徴的なこの詩にも
変化(明滅)するもの/しないものの対立が見られたり
岩頸たちが「時間のないころのゆめをみてゐる」という文では
「時間のないころ」とは地質時代を示しているのでないか、など
さまざまな意見が出されました。

他にも「陽ざしとかれくさ」の「チーゼル」とはどんな草なのか写真で示し、
「春光呪詛」では宮沢賢治の恋愛について
ほれっぽいところがあるのではないか、
必死に恋愛を拒絶している様子がみられる「春光呪詛」に微笑ましさを感じるなど
参加者同士で盛り上がりました。
「かはばた」では童話「おきなぐさ」との共通項が指摘され
「習作」では詩の上部の歌の由来のほか
その新しさや出版する詩集に個人名やローカルな地名を登場させる
宮沢賢治の言語感覚についても言及されました。

今回は多くの詩をひとかじりずつ読んでいくことで
広く浅く『春と修羅』にふれ、参加者も詩集により親しめる回になったのではないかと思います。

今年の読書会はこれで最後となります。
皆様、よいお年をお迎えください。
年明け最初の読書会については、決まり次第追記いたします。

参加者の皆様、ありがとうございました。


20141212

第61回読書会報告

第61回読書会の報告です。

今回は『春と修羅 第一集』の
「春と修羅」について
学生が発表によって口火を切る形で読み進めていきました。

「春と修羅」は詩集『春と修羅』の表題作でもあります。
専門的な語や宮沢賢治ならではの使われ方をしている語などが
これまで扱ってきた詩と比べても多く、難解な印象も抱かれがちです。
発表では宮沢賢治作品を読み慣れていない参加者のためにも
これらの難解な語の解説から入りました。

文の繋がり、言葉の修飾、波打って書かれている行のことなど
各人が自由に疑問提起や意見を述べていく形で
とても広がりのある会となりました。

「修羅」はこの詩のキーワードの一つです。
この言葉について、自分が修羅であることに自負や誇りがあるという読み、
それとは逆に引け目に、つらく思っていたという読みの二つが出され
「修羅」が非常にアンビバレントな性質をもって描かれていることに気付かされたのが印象的でした。

特に多くの意見が出されたのが波打つ行にみられる表記の問題と
時折登場する()の意味についてでした。
波打つ行は「春と修羅」を読むときに真っ先に目につく特徴ですが
この上がり下がりがどういった心情をあらわしているのか、
またはこの部分が節のついた「歌」だった可能性も指摘され
加えて波打っていない部分との違いは何なのかなど白熱した意見交換となりました。
()については一つの風景を二つの視点から見ており
もう一つの視点からの風景が()によって表されているのではないかという意見が出ました。

今回はまったく意見が尽きず、
この記事にはとても書ききれないほど意見の充実した会でした。
「春と修羅」がそれだけ深みと広がりのある作品だということかもしれません。

参加者の皆様、ありがとうございました。





次回(第62回)読書会について

【日程】 
12月12日(金)16:20~

【場所】
413教室

【扱う作品】
「春光呪詛」から「かはばた」までの詩
次回は参加者一人一人がひとつの詩を選び、
それについての感想や意見をかるく述べていく会にする予定です。


多くの方々の参加をお待ちしております。

第60回読書会報告

第60回読書会の報告です。

今回は『春と修羅 第一集』の
「コバルト山地」「ぬすびと」「恋と病熱」の三編について
大島丈志先生が発表してくださいました。

「コバルト山地」は「せいしんてきの」という表現とそれに続く
「白い火が/水より強くどしどしどしどし燃えてゐます」が特に話題になりました。
「日」と「火」、「燃える」の組み合わせは宮沢賢治の他作品にも登場する表現であり
この詩の中では朝陽、朝の陽光を指していると思われます。
他には「せいしんてきの」は萩原朔太郎に同様の表現が存在していたこと、
詩人の視点はどこにあるのかといった点が話題に上りました。

「ぬすびと」は独自の単語の多い、解釈の分かれる詩ですが
この詩に描かれた情景が
かめを盗んでいる人間のぬすびとのものである、
夜明けに長く伸びた黒い影の動きを擬人化して表現したものである、
ムンクの「叫び」という絵画を詩で表現したものであるなど
多様な意見が出されました。
他にもリズミカルで動きがあり、滑稽味のある詩という印象が参加者に共有された詩です。

「恋と病熱」は校異との違いが大きいため、そちらも参照しながら読みを進めました。
ストレートな題と、大きな感情の波に揺れ動く語り手からは若々しさや激情を感じるという感想が多く聞かれました。
また他の宮沢賢治作品でもよく登場する「烏」がこの詩にも登場していますが
「烏さへ正視できない」という表現からは
語り手が「烏」に、自分と近しい印象を抱いているのではないかという意見もありました。


今回は参加者から多くの意見が上がる活発な回となりました。

参加者の皆様、ありがとうございました。


20141114


次回(第61回)読書会について

【日程】 
11月28日(金)16:20~

【場所】
413教室

【扱う作品】
『春と修羅 第一集』
「春と修羅」

多くの方々の参加をお待ちしております。

第59回読書会報告

第59回読書会の報告です。

今回は『春と修羅 第一集』の
「屈折率」「くらかけの雪」「日輪と太市」「カーバイト倉庫」について
吉田文憲先生が発表してくださいました。

今回扱った詩は冒頭の短い詩です。
「屈折率」「くらかけの雪」は同日に書かれたとされる詩で、
「七つ森」「くらかけ山」といった地元の名称が登場するのが印象的です。
冒頭の詩ということもあり、宮沢賢治のキーワードの一つでもある「郵便脚夫」が登場したり
七つ森が異界的風景として描かれたりと
とくに「屈折率」は「心象スケッチ」のモデルとなる作品ではないかということでした。

今回特に話題になったのは、校異についてでした。
宮沢賢治作品は著者による手入れがよく行われていますが、
『春と修羅』においても語尾変化や単語の入れ替えの他、
書き足し、削除など様々な校異が存在しています。
「カーバイト倉庫」では「なつかしさ」という単語が「なまめかしさ」と書かれているものがあり、
その違いは何なのかという問題が提示されました。
「なまめかしさ」には「なつかしさ」にはないリビドー(性的欲動)の意を持っている
一見すると全く異なる単語ながらも、どちらも「薄明どき」というあいまいな時間帯、
ノスタルジックな心境に相通じるものがあるのではといったことが話されました。

今回は短い詩を扱ったことで、校異も含め
単語の細部まで常よりじっくり見つめながらの読書会となりました。

参加者の皆様、ありがとうございました。



次回(第60回)読書会について

【日程】 
11月7日(金)16:20~

【場所】
413教室

【扱う作品】
『春と修羅 第一集』
今回扱った詩以降の、「恋と病熱」までの冒頭の詩

多くの方々の参加をお待ちしております。

第57回読書会報告


第57回読書会の報告です。


今回は2014年度秋学期(後期)第一回目ということで、
今後の読書会についてどういった作品を扱うか、
どういった読書会にしていくかについて
参加者同士で打ち合わせをしました。

童話か、詩か、詩なら長いものがよいか等
意見を出し合った結果
『春と修羅』を読んでいくことに決まりました。

次回10月10日(金)は『春と修羅』序(「わたくしといふ現象は……」)を
鈴木健司先生が取り上げて担当してくださいます。

その後は『春と修羅』第一集を少しずつ取り上げ、じっくり読んでいく予定です。
宮沢賢治の詩は童話に比べて難解に感じられるものも多くはありますが
特色や魅力が凝縮され、童話とは少し違った宮沢賢治の作品世界を楽しむことができますので
興味を持った方は、是非ご参加ください。


打ち合わせの後は文教大学越谷キャンパス正面の元荒川土手に
くるみの木を鈴木健司先生の案内によって発見、落ちていた実を拾いました。
写真では見にくいかもしれませんがオリーブ色をした丸く小さく固い実で、少しキウイにも似ています。
表面は産毛のような短く柔らかい毛で覆われています。
文教大学の敷地には未だ熟し切っていないかりんも実っています。


20140926.jpg


どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

               「風の又三郎」




2014年度秋学期も、文教賢治研究会をよろしくお願いします。


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プロフィール

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Author:事務局
  ●○文教賢治研究会とは○●
 「文教賢治研究会」は、文教大学越谷校舎に発足しました宮沢賢治の研究会です。会員は教育学部・人間科学学部・文学部の教員,非常勤教員をはじめ、大学院生、学部生、研究生、卒業生の総勢39名。(2011.8.25現在)
 教員、学生の枠を超えて日々ゆるやかに活動しております。

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