2017-05

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12/11 読書会報告

12/11 に行われた読書会の報告です。

今回は、2015年度後期(秋学期)の読書会テーマ
「宮沢賢治と萩原朔太郎の比較」第四回目です。

担当は大島先生で、「朔太郎と賢治の田舎と都会」をテーマに発表してくださいました。
当時の時代背景として、農村問題に関して都会対農村という二項対立での論調が強まっており
上京してきた人々で都市が溢れ、農村を称揚することで農村へと帰るよう促すムーブメントが起こっていたことを紹介しながら、二人の詩人の作品の中で農村や農夫、そして都会に対する意識が垣間見えるものを提示して参加者で議論を進めました。

萩原朔太郎における農村や農夫のイメージには嫌悪感が目立ち、
自分を嘲笑し迫害する者として描かれる作品もありました。
しかしそれらは非リアリズム的であり、農夫は自分の心情を反映する存在として描かれていました。
また朔太郎は上京後故郷に対する意識が大きく変化するなど、
故郷や田舎、農村といったものへの評価が一定でないことが特徴的でした。

一方、宮沢賢治におけるそれらは風景の一部として描きこまれることも多く、
農夫の視線に自己を投影していた萩原朔太郎と比較すると距離を取って描かれていました。
しかし景色に溶ける農夫など、自己を仮託していると思われる描写も存在します。
議論の中では、宮沢賢治の描く農夫像は理想化されているという見方が多く出ました。
また朔太郎が都会/田舎をかなり距離のあるものとして見ていたのに対し、
賢治においては二者の距離が近い、断絶がないという指摘もありました。

秋学期は「萩原朔太郎と宮沢賢治」というテーマで読書会を行ってきましたが、
他の詩人との比較のなかで新たに見えてくるものもあり、
作風の違いを再確認したり、逆に今まで見えていなかった共通点を発見したりと、
良い刺激の得られるものとなったのではないかと思います。
読書会に参加し、積極的に発言してくださった参加者の皆様、ありがとうございました。

年内の活動は以上となります。
年明け以降の活動についてはまだ未定ですが、
決定次第、連絡いたします。
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Author:事務局
  ●○文教賢治研究会とは○●
 「文教賢治研究会」は、文教大学越谷校舎に発足しました宮沢賢治の研究会です。会員は教育学部・人間科学学部・文学部の教員,非常勤教員をはじめ、大学院生、学部生、研究生、卒業生の総勢39名。(2011.8.25現在)
 教員、学生の枠を超えて日々ゆるやかに活動しております。

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