2017-10

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第56回読書会報告

第56回読書会の報告です。

今回は大島丈志先生が「税務署長の冒険」について発表してくださいました。

「税務署長の冒険」は宮沢賢治作品の中では珍しい探偵小説風といえる作品です。
大島先生は先行研究を丁寧に紹介・解説しながら、この作品がどう読まれてきたのかや物語中に登場する「濁酒」は高水準の密造を示す透明な清酒だったのではないか、舞台となった地域についてなどをまず解説してくださいました。

今回の読書会で最も注目されたのは、作品ラストシーン(「いい匂いですな。」)が何を意味するのかという問題と、宮沢賢治と酒の問題でした。
前者については、税務署長と名誉村長(と村民たち)のあいだの共感を意味するのではないかという意見が出ました。宮沢賢治作品において「いい匂い」はひじょうに肯定的な意味で使われる表現であるため、調和や共感を表しているという読みが可能だということでした。
また税務署長は密造を取り締まる立場ではあるものの彼自身酒が好きで、酒を密造している名誉村長とは本来相似の存在である点も指摘されました。
後者の宮沢賢治にとっての酒とはどのようなものだったのかについては、詩や作品から「酒を呑まなければ人中でものを云へないやう」な人に対する強い拒否感がみられるものの、飲酒の楽しみについて触れているものもあることから、全面否定はしないが過度に酒に頼るような場や人を嫌悪していたことは明らかなのでないかということでした。

今回の「税務署長の冒険」は宮沢賢治作品の中では少し異質な作品ですが、参加者からの評価は高く、普段宮沢賢治にあまりふれない参加者からも「おもしろかった」「楽しかった」といった感想を聞くことができ、朗らかな会となりました。

参加者の皆様、ありがとうございました。
これで春学期の読書会は終了となります。
次回は秋学期、九月に入ってからの活動を予定しております。

秋学期も多くの方の参加をお待ちしております。


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  ●○文教賢治研究会とは○●
 「文教賢治研究会」は、文教大学越谷校舎に発足しました宮沢賢治の研究会です。会員は教育学部・人間科学学部・文学部の教員,非常勤教員をはじめ、大学院生、学部生、研究生、卒業生の総勢39名。(2011.8.25現在)
 教員、学生の枠を超えて日々ゆるやかに活動しております。

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